お世話になっております。コラム担当のSです。
今回のお話は、
「最後の最後までお付き合いするのが私たち電気保安業界の人間です」
についてです。忘れもしません・・・数年前のお話になります。
とある日曜日に一本の電話がかかってきました。
電話の主はレジャー系の会社を営んでいる社長からでした。
だいたい、変なタイミングで電話がかかってくる社長で、そういう時の電話は大体厄介ごとの電話ばかり・・・
例えば投光器が壊れただの、
自分で敷設したケーブルを草刈り機で切っちゃったとか(工事士持ってないんですけど、自分でできることはやっちゃう社長でした)、
とにかく普通のお客様よりも手間のかかる場合のみ電話をかけてくる社長でした。
そんな社長からの日曜日にかかってきた電話に恐る恐る出てみると・・・
あれ?いつもより声が小さい。
普段は、威勢のいい声の社長でしたが、この日は違いました。
「もしもし?Sさん??Tですけど」
「社長!お世話になっております。どうしました??」
「実は・・・」
こっから衝撃事実・・・
会社を閉めるという話でした。
自分も、初めてのケースでしたのでおろおろとしてしまいましたが、
翌日であれば時間を作れるという事でしたので、翌日にあらためてお伺いいたしました。
お話を聞いてみると、客が減少したので閉めるのではなく、メインの機械が修復不可能になってしまったため、泣く泣く閉めるとのことでした。
「いやーーーまいちゃったよ!!まさか、壊れるとは思ってなくてさ!!」
昨日よりは若干元気な声でお話を続けてくれるT社長。
親から引き継いだ話や、お客様との思い出話等々・・・
普段はお客さんがいたこの場所に今日は一人もいません。
「長話して済まなかったね!と言うわけで、最後の最後まで面倒見てくれや!頼むよ!!」
私も、最後の最後までサポートさせていただく事になり・・・
嬉しいやら寂しいやら・・・
しばらく事務所は使うため、早急に高圧を廃止し、電灯を引っ張ってあげる段取りをし、それと同時に廃止届を出しました。
「最後の最後まで世話になったねSさん・・・なんか急に寂しくなっちゃったよ」
最後の最後までお付き合い出来て、
本当に保安業務従事者冥利に尽きます。
私たちの仕事は、会社がスタートするときにお付き合いが始まり、そして会社を閉める最後までお付き合いする職業です。
自分もこの経験を忘れることなく、
一人ひとり大切にお付き合いできればと思っております。