今回は波及事故についてです。
前にもお話しておりましたが、波及事故の怖さについてお話いたします。
皆様は波及事故という言葉を聞いたことがありますか?
■ 波及事故とは?!
「高圧受電設備などで起きた事故が原因で、電力会社の配電線に接続されている住宅、ビル、工場、病院、銀行、交通機関、交通信号システムなど、様々な範囲に停電が広がる事故のことです。
この事故について、関東東北産業保安監督部 電力安全課におきまして、波及事故を起こしてしまった事業者向けにアンケートをとり、一部で話題になりました。
平成29年度自家用電気工作物設置者及び電気主任技術者セミナーで配布されて資料内には、損害だけじゃなく、起こしてしまった際の設置者の声も出ております。
■ 設置者の声
- ・点検後、指摘された時点で設備改修をしておけばよかった・・・
- ・近隣へのお詫びに何度頭を下げた事か・・・
- ・事故後のリスクがこれだけあるとは知らなかった・・・
- ・宿泊業をやっているが、電気機器が全く使えなくなり、すべての予約をキャンセルし、売上に甚大な被害が・・・
- ・電気が通らないので、仕事が数日間行えず・・・
以上が設置者の声です。
続きまして被害額についてもお知らせします。
( 関東東北産業保安監督部 電力安全課 平成29年度自家用電気工作物設置者及び電気主任技術者セミナーにて配布された資料より抜粋しました )
これには1000万以上の被害を負ってしまった設置者さんが7%もいることにこの怖さが伝わると思います。
保険ですべてを賄うことは不可能ですから、この怖さを少しでも多くの方に知っていただけたらと思っております。
確かに電気の設備、トランスやブレーカーだけではなく、ケーブルなどは壊れにくいですし、モーターと違って電気を流すだけの設備ですから、故障するや壊れるというのは実感しにくいものです。
しかし、永遠というものはありません。
いつかは壊れるものです。
その時期を早く察知し、それをお客様へお伝えするのが私たち電気管理技術者や保安業務従事者の仕事と思っております。
またお客様自身も、これを機に設備の更新を考えていただけますと幸いです。